イサベルへの手紙

 

マダムイサベル

 

4月のバカンス前以来、全く連絡せず、本当にごめんなさい。私には考える時間が必要でした。体調が悪いなどと嘘をつくのは嫌だと思っていたら、結局何も言えませんでした。

もう5月13日は過ぎてしまいました。わたしはそれが分かっていながらも、何もしませんでした。あなたに相談しようともしませんでした。なぜならその時にはもう答えは出ていたからです。

わたしは試験を受けません。

わたしがこの場所にいながらこの選択をすることが、常軌を逸していることは理解しています。でもわたしは、こうすることが自分が自分であるために必要な選択だと考えます。

あなたは素晴らしい教師です。あなたと出会えたこと、あなたと出会うまでに歩んだ道を、わたしは何一つ後悔していないし、自分を誇りに思います。

ただ、わたしはあなたと合わなかったのです。

それは、わたしが悪いわけでも、もちろんあなたが悪いわけでもありません。わたしはとても窮屈に感じてしまいました。そしてこのままあなたの元で学び続けることに、違和感を覚えました。わたしは、自分が自分らしくいられないと感じる教師の元で無理に我慢して学び続ける必要は全くないと思います。

わたしはこの世界の中で、あなたに認められるために生きているわけではない。大事なのは、わたしがわたしらしくいられること、そしてそれが何よりも大事なのだということを、決して忘れないことです。

 

わたしは、あなた達の世界から離れ、踏み出します。

ここではないと感じた、”わたしの場所”がどこなのかまだ分からないけど、それを見つけるのがわたしの人生であり、わたしが成すべきことです。そしてわたしにはそれができます。例えどんなに遠くても、長い時間がかかっても、きっと見つけます。わたしは日々の小さな選択を決して誤らず、自分の心に嘘をつきません。みんなが忘れてしまいそうになることを、わたしだけは絶対に、忘れません。

人に親切であること、家族と友達を大切にすること、自分が自分らしくいられること、自分を愛してくれる全ての人に、恥じない生き方をすること。

わたしはいつか必ず、そしてもしかすると近いうちに、”わたしの場所”がどこなのか、きっと答えを見つけます。

 

わたしにそれを探し求めるきっかけを与えてくれたのは、紛れもなくあなたなのです。

 

最大の感謝と、愛を込めて。

 

18.5.2016

 

P.S. わたしはあなたのウインクがとっても好きでした。